寒さ厳しい大寒、冬の土用〜からだのためにできること〜

季節は大寒を迎えました。

一年の中で最も寒さが厳しい時期ですね。


そして今は、一年の中でも最も大きな転換期と言われる「冬の土用」の17日間の真っ只中。

※冬の土用:1月17日〜2月2日


今日は少し、そんな今ここと、体のこと、体のためにできることを書いてみたいと思います。


(画像提供:地球暦)

2020/01/20 
23:55
大寒
地上の陰気 地中の陽気に追われ
寒気甚だし 故に大寒という



寒暑の極み、地球の体温を感じて。

北半球の光量が最小になった冬至から1ヶ月、時間差で地温が冷え、寒さのピーク「大寒」がやってきました。

1月中旬の「大寒」は、暑さの極まる7月中旬の「大暑」と対照的な位置関係にあり、夏と冬で気温差は50℃以上と北半球の中高緯度帯に位置するアジアの国々は寒暖の変化が非常にダイナミック。

また近年、北半球と南半球の気温差は100度以上あり、地球全体で見てもこの時期は陰陽のピークとなります。

自然界も木々が葉を落とした雪景色は、まるで時が止まったようですが、極寒の中でも生物たちは来たる春に向けて着実に力を蓄えています。

厳しい環境こそ鍛錬の季節、寒中のトレーニングは能力の限界を引き出してくれます。

ハードなことは出来なくてもまずは乾布摩擦やウォーキングなど自分の身体から熱を作り、寒さに負けない心構えをしていきたいですね。

ー『地球暦』ホームページより


下の図でみると、円の真ん中にある太陽のまわりを左回りでまわる地球が、

一番下にある「冬至」を越えて、立春に近づいていっています。




冬至は夜が最も長い日。

この冬至を真ん中にして冬があります。

ちょっとズームしてみます。



今は冬至を過ぎて、小寒、大寒も過ぎて、立春の手前にいます。

一日の中で、夜中の12時を過ぎた後に冷え込むというのと同じように、

今が一年の中の寒さのピークです。

「見ての通り畑は雪で3Mオーバーです~。今年の雪山は雪が多いので自然地形がアートになっていてすごいですよ!」(コメント・写真:イチカラ畑)




<名残りと兆し>

冬が終わる最後は冬のエネルギーが極まるピークですが、ピークは折返し地点でもあります。

なので立春は、極まった冬のエネルギーが衰え始める頃でもあります。


ピークを迎えて、そこから衰え始める、ということです。


しかしながら、立春を迎えても冬のエネルギーは十分残っているので、

その様子を「名残り」といいます。


と同時に立春は、春に向かう流れが「兆す」頃でもあります。

前の季節の名残りと、次の季節の兆しが、二重らせんのように共存するのが、本当の季節の変わり目なのですね。


寒さと温かさの間を行ったり来たりする「三寒四温」は、その様子を示す、わかりやすい現象です。



<冬は土にかえり、土から春が吐き出される>

春は晴る季節であり、張る季節。

雪国にも晴れ間が差し始める。

山々の雪が徐々に溶けて、水が張り出す。

水を吸った種が張りさける。

そして、地表から芽が張り出してくる。



そして、季節の終わりと季節の始まりが入り交じる「土用」の働きは、

過ぎ去る季節を土にかえして、そこから新たな季節を生み出すこと。


その働きは、まさに土のごとくです。


土に野菜の切れ端を埋めると、死滅、分解が促進されます。

そして、土の中で分解されて生み出された養分が、新たな命を生み育てることを促進します。


古代中国の人達は、季節を土に返すと土から新たな季節が吐き出されると考えていました。


吐くという行為も、土の働きなのですね。

口+土=吐。

春の芽が土から吐き出される。芽口土。


<土=甘:消化を助ける自然の甘み>

土の働きは、体でいえば、月+土=肚(はら)の働きです。


それは、食物を消化して、エネルギーに変えて、全身に分配する働きです。


消化力、それを担う、胃や膵臓。

それを助ける微生物や発酵の力、咀嚼することの力などが、土の働きを担っています。


そして土に当たる味は、甘味です。


精製した砂糖などの強すぎる甘味は、胃を痛めます。


お米や糀、甘酒、味噌、そば等の持つ自然な甘みは、胃の働きを助けます。


ぬか漬け、たまり、醤油、などの甘みを持った発酵食品は、そこに含まれる微生物や酵素が、消化の働きの一端を担ってくれます。


火を入れると甘くなるキャベツ、長ネギ、玉ねぎ、かぼちゃ、菜の花、サツマイモも、土用の代表的な養生食です。


<土用、迷ったらとにかく毎日味噌汁>

味噌汁文化が始まったといわれる鎌倉時代、ご飯と味噌汁、季節の漬物を中心とした「一汁一菜」に象徴されるシンプルな食のあり方が広まっていきました。


質素な食事をよく噛んで味わうことは、五季の「中央」の時期でもある土の働きそのままともいえる「日々の食の中心を見直すセンタリング」ともいえる土用の養生法です。


味噌は身礎(みそ)とも言われ、養生の中心に据えられてきた食薬です。


心身の状態の経過を丁寧に観察しながら、慌てずじっくり養生していくことの繰り返しが、身体と季節の関係への理解を深めていく助けになります。



<オンライン朗読会やります!>
『マワリテメクル小宇宙〜暮らしに活かす陰陽五行』
岡部賢二[著]
季節と体と食事のことを、わかりやすい言葉でまとめた入門書であり、日々の実践の手引きとして、ずっと読める本です。
僕は15年読んでます。
3月くらいから、三宅商店主催のオンライン朗読会を開催していこうと思っています。
一緒にゆっくり読んでいきましょう〜。




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(筆:たか)

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