それは2ヶ月程前でしたでしょうか?この商品との初めての出会いは三宅商店が古民家事務所を構える吉備中央町の、地元の人が参加するようなローカルイベントを訪ねたときだったと思います。その日は吉備中央町マルシェが少し離れた場所で同時に開催されていて、そこにはいわゆるアースデイに出店するような移住者さんのお店が連なっていました。
午前中に、吉備中央町マルシェに顔を出したあと、午後すぎに場所を移動して地元の人が参加するお祭りを見にいきました。
それは近海で上がった魚を即売して、少しの飲食の出店があり(うどんとか唐揚げとか)、絵画や写真などの作品の展示や、地元のサークルの人たちが楽器の演奏やカラオケだったりを披露するお祭り。ザ・地元、な感じ。The 地元。
無料書籍のコーナーを漁り、幾つかの出し物と、全ての展示を見て「さあ帰ろうか」となった時に目についたのがコレ。
木製の和柄のコースター。岡山県産の桧(ヒノキ)を使用しています。
一目見て、「おおっ!かっこいい!」となりまして、「これは是非取り扱いたい」となりました。しかもよく見てみると、社会福祉法人が生産しているようです。
福祉事業としてやっているのも当然素晴らしい。しかし、それ以前にデザインそのもののクオリティーがとても高いというのが、この上なく素晴らしいと思っています。
そしてついに三宅商店で取り扱いができることになり、事務所にお伺いしてきました。三宅商店の事務所から車を走らせること20分ほどの所に、社会福祉法人吉備の里はあります。
数々の福祉事業をやっており、その中の「吉備の里 希望」は就労継続支援B型事業を行っています。
就労継続支援B型事業とは通常の会社で働くのが困難で,雇用契約に基づく就労が困難である方に、就労と生産活動の機会を与えると同時に就労に必要な知識や能力の獲得に必要な訓練を支援する事業です。
A型事業は雇用契約があるのに対して、B型にはありません。それはA型事業は「通常の会社で雇用されることは難しいが,雇用契約に基づく就労が可能な方」をターゲットにしているのに対し、B型事業は「通常の会社で雇用されることも、雇用契約に基づく就労も困難な方」をターゲットにしている側面もあるからです。非雇用型であることによって比較的自由に働くことができます。
その上で「吉備の里 希望」ではここでの通所によって能力や知識が高まった方がA型事業、ないしは一般企業への就労へ移行できるように支援もしています。
事務所をお伺いすると、コースターの他にもキーホルダーなど、様々な製品が作られていました。お伺いした時はちょうどこのコースターを作っている最中で、その製造工程をお聞きしたり、写真を撮ったりすることができました。
日本古来のデザインをこちらの機械でレーザーカットして凹凸あるデザインに落とし込みます。ヒノキをカットしたところは素材由来のヤニで濃い色になる。そして表面にヤスリをかけることで凸部のみヤニが削り落とされ、コントラストを表現できるのです。
機械でヤスリをかけると割れたり、質感が上手に出なかったりするので、手作業にこだわっています。
試行錯誤の結果、コースターの厚みは4.6mmがベストだそう。細部にまで妥協を許さないクオリティーの高さが、ひしひしと伝わってきます。
こちらのオリジナルデザインとかもできますか?の質問に対しては、デザインの企画がやはり一番難しいところで、そこから関わってくれるととても助かるとの回答。素晴らしいデザイナーさんにお世話になっている三宅商店としては本当に嬉しいお返事でした。コースターに限らず精密なデザインを表現できるので可能性の幅が広いです。
三宅商店としてはやはり地元、田舎、地方都市から盛り上げて、そこから新しい社会の形を全国に発信していきたいと常々思っていまして、集落の会合などでお会いした議員さんたちとも、そのような想いを語り合っていただけに、まずは一つのスタートを切れたことを嬉しく思っています。
”SPEND SHIFT” 消費動向は世界をつくる、を合言葉としている三宅商店だけに、社会を形成するあらゆる消費生産に対し多角的に焦点を当てていきたいですし、今回のコースターの取り扱いを皮切りにその幅を広げていきたいです。
日本におけるフェアなトレードの一つの形を象徴するものとして、皆様のコーヒー(ティー)ブレイクや晩酌に彩りをプラスして頂ければと思います。
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