古民家リフォーム〜屋根の修繕〜

立春を過ぎ、ふきが少しずつ顔をのぞかし始めた岡山県吉備中央町。

昨年11月18日に物流拠点を吉備中央町高富の古民家から、現在の小森温泉前に移転してからも、高富の三宅商店は『高富ファーム』として、今後に向けてのワークショップの開催企画などを思案しつつ、まずは修繕するところ満載の母屋の改修に日々取り組んでいます。


今回の修繕はと言うと、

この傾いた屋根です。

ここは以前はトイレとして使われていましたが、現在は使用していません。

ここを改装して、収納スペースを広げる予定です。

下から見てみると

物の見事に垂木も野地板も腐っています。

この垂木と野地板を新しいものに替えていきます。

雨樋いにも落ち葉や長年のゴミがたまり、そこから雑草がたくましく成長しています。

まずは雨樋いを外し、屋根を剥がしていきます。

一番下の屋根瓦と野地板が番線で固定されていたので、ニッパーで番線を切って瓦を取り外していきます。

解体をすることで、家の構造が明確にわかってくるのも面白いですね。


瓦をどんどん取り外していくと、中から土と防水シートの残骸が出てきました。

古民家の多くは、土葺きの家が多いですね。

明治時代~昭和初期まで主流だった、瓦を固定するために、大量の土を利用する工法を土葺きといい、「つちぶき」や「どぶき」と読みます。

大量の土を屋根に乗せるので、重量がありますが、断熱効果が非常に高いメリットがあります。

また、その重さによって強風に飛ばされにくいので台風対策とされていたり、地震対策としてもわざと重くすることで上下の揺れを防ぐと言われていました。

ただし注意点としては、その重量に耐えるために家の柱などは重みに耐え得るしっかりしたものである必要があること、土が経年変化で痩せてくると瓦を支えきれず、ずれてしまったり、ずれた部分から雨漏りにつながってしまうことがあります。


この屋根も土が経年変化で痩せ、瓦がずれ、そこから雨が浸水し野地板と垂木が腐ってしまったと思います。

長年の雨風をしのぎ、今は腐ってしまった野地板や垂木をバールで取り外していきます。

瓦は割れているものは屋根には使えないので、使える瓦と使えない瓦を選り分け、

垂木をカットして柱に取り付けていきます。

垂木を設置し終わったら、野地板を貼っていきます。

ビスでひたすら取り付けていきます。

垂木も野地板も腐らず生きているのもあるので、継ぎ足しながら組み合わせていきました。


作業開始から6時間。

とりあえず片側の屋根の垂木と野地板の張り替えが完了しました。

残りの作業は、野地板の上に瓦止めの板を貼り、防水シートを貼って瓦を設置すれば完了予定。

日も暮れたので本日の作業はここまで。

仕事終わりの夕焼けは世界中どこでも染み渡りますね。



by バンブーマン




『セルフビルド 家を作る自由』 蔵前仁一 [編] 矢津田義則+渡邉義孝[著]

人には自分の住みかをつくる自由がある 素人がセルフビルドした、個性豊かな住宅30軒を紹介! 藤森照信氏絶賛 「21世紀最大の夢は、自分の家を自分で作ること。 そうした実践の実例が、ここには集結している。 よくぞ作った。よくぞ集めた。セルフビルダー必見」 家を建てることは人生の一大事だ。 何百万、何千万円というお金をかけ、数十年のローンを組み、 建設会社に依頼して、あるいは建て売り住宅を購入して、 人々はマイホームを実現させる。それが「普通」の家づくりである。 だが、本当に巨額で長いローンに縛り付けられなければ、 私たちは家を持つことができないのだろうか。 本当にプロに頼まないと家は建たないのだろうか。 答えは「ノー」である。  それだけが唯一の方法でないことを、本書で紹介する家と人々が教えてくれる。 家は自分でつくることができる。その方法はさまざまだが、 まったくの素人 が、わずかな知識と工具だけで自分の家を建てているのだ。 あるいは、本職の人々と協力しあって、自分の理想の家を実現させている。 いったい、どういうふうに、どんな家を建てているのか。 これからじっくりと本書をご覧いただきたい。 あっという間につくってしまった人もいれば、 いつ終わるかもわからない永遠に未完の家もある。 それはつくっている人それぞれの考え方や人生とも重なり合う。 家をつくることがおもしろければ、それは死ぬまで 終わらないし、 終わらせる必要もないのだ。 なにしろ自分でつくる自分の家なのだから。 セルフビルダーにとって家づくりは、人生の「重荷」ではなく、 それ自体が楽しい「解放」である。 人には自分の住みかをつくる自由があることを、彼らは教えてくれる

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