大地に種を。心に花を。

タネについてのブログを書きたいと思います!と三宅商店恒例 朝のHUGミーティングで提案してからずっとどんな内容にしようか頭の片隅で考えながら生活していました。

タネ。種。たね。

やはり今は3月末で廃止にされてしまった種子法について書くべきなのか。

野口のタネの紹介をしようかな〜。

自家採種の方法をまとめてみようか。

シードバンクについての記事にしようかな。

バイエルによるモンサントの買収について。。。

水面下で着々と進むTPPにも触れるべきか。。。。。

などなどいろいろ考えていました。


そんな時ふと頭に流れた洋平さんのジプシーソング。

gypsy song by 三宅洋平 (仮)ALBATRUS

旅に出る時だ

旅に出る時がきた

世代を乗り越えて

未来に帰り着くまで Yay

いつか刻の向こう側で

開いたままのぼくらで

野生の大地を取り戻す

ここに種を撒こう

木漏れ日に溢れる

風を信じて その日まで

星屑に捧げる時と

変わらぬ この思い

開いた感性の終わりなき

旅路のはじまりだよ


この歌を聞いているうちに、種子法廃止のこの流れは『たのしい世界になっていくための転換期なんだ』という気持が湧いてきました。

種子法廃止やTPPなどこれから日本の食糧事情はどうなってしまうんだ。。という不安を煽る事だけはしたくない。

様々な時代の変化を楽しみながらうまく波に乗っていけるような生き方をしていきたいですよね。

今回の種子法廃止は私たち一人一人に種まきの楽しさを味わわせてくれる絶好のチャンスなのです! 

すべての命にはタネがある。

命のタネを自分の手で大地に降ろし、大地に育まれていくさまを見守る、手助けするエクスタシーを味わいましょう!!!


タネについての思い出話

2011年の震災後、私はニュージーランドでWWOOF(World Wide Opportunities on Organic Farms の略、有機農家さんのお仕事のお手伝いと食事と寝床のエクスチェンジ)をしながら様々なオーガニックファーマーさんたちを訪れていました。

そこはサーフィンの有名な町にある海の見える高台にある宿泊施設の中に作られたとても美しいパーマカルチャーファームでした。

そこの庭師デイブと私はなぜか気があったので、つたない英語でいろいろお話をしていた時に衝撃を受けた思い出話です。

恥ずかしい事に、私はそれまでモンサントの事や、TPP、NAFTAの事など全くといっていいほど知らず、F1についてはかろうじて知識がある程度でした。

デイブは「このままでは小さい農家は大企業に訴えられるよ!大企業がタネのDNAの特許を取って、その花粉が風で飛んできたり、虫が交配した野菜を作っていると、勝手にうちのDNAを使いやがってーと訴えてくる。訴えられたら絶対に勝てないようになっている」と教えてくれた日、私は「まさかー!風に乗って飛んでくる花粉を選んで受粉させる事なんかできないし、虫を完全にシャットアウトして農業なんてできないよ。そんな事で訴えてくるなんて無情すぎる!自由に外で農業をする権利を奪う事なんてできるはずがない」などとデイブは心配しすぎだなぁくらいにしか思っていませんでした。

しかしその後おすすめされたFood, Inc.(フードインク)という映画の中でまさにそれが現実に起きている事を知った時の背筋が凍るようなあの感覚。

さらに、メキシコでは北米自由貿易協定(NAFTA)によりアメリカから大量の安いトウモロコシが流入し、在来種を育てる農家が激減。在来種がほぼ壊滅したところで、大企業はタネの価格を何十倍にも釣り上げたのです。大企業が特許を取った高いF1のタネを農薬とセットで一生買い続けなければならなくなってしまったのです。

メキシコ人にとってのトウモロコシは私たち日本人にとってのコメのようなもの。

代々守り続けてきた主食を自由に育てる権利を奪われてしまうという事は彼らのアイデンテティーを奪う事と同意義でしょう。

150万人のもメキシコ人たちは職を失い、不法移民としてアメリカに渡り、食肉加工工場で常に逮捕されるのではないかという不安に苛まれながら不当な扱いを受けている。

現実は私の想像など簡単に凌駕してしまうほど無情でした。


その事実を知ってから、私はタネがとても愛おしくなり、いつもな何気なく三角コーナーにポイッとしていたかぼちゃやパプリカのタネを洗って乾かして持ち歩くようになりました。

デイブからゲリラガーデニングについても教えてもらっていたので、車の窓からそのタネを蒔いたり、街路樹の傍に植えたりしていました。F1だろうがおかまいなしに。これは楽しい!!

各地のオーガニックマーケットで固定種のタネを見つけては、いつか持つ自分のファームに植える事を夢見て少しずつ買い集め、日本に送っていました。

タネの輸入に関しては日本はとても甘いですね。

封筒にSEEDと書いて送る事ができました。

同じ島国のニュージラントや固有種を多く持つオーストラリアでは、第三国からタネを持ち込む事は違法であったと記憶しています。

日本ななぜ固有種を守る事にもっと真剣にならないんだ?というような質問を受ける事も多々ありました。


WWOOFを通して、様々な素晴らしい体験ができました。

その中から、心に残る名言をいくつがご紹介します。

①オーストラリア タスマニア島の山奥にあるLorinnaというコミュニティーに住む純粋無垢なおじいさまBurtさんの名言。

「ここのコミュニティーガーデンから野菜を盗む人たちがいるなら、ここのガーデンの大きさを2倍にすれば解決だね★!」

その発想なかった〜!!!! 

私が世界で一番好きなドライコンポストトイレ。大きなユーカリの木のウロにあります。


②ニュージーランドの緑の党の党首を長年務めたJeanette Fitzsimonsさんの名言。

"I'm just a farmer" 

Jeanetteはニュージーランドでもっとも重要な人の一人とも言われるほどの有名人です。そんな方に私みたいな庶民の代表が会うなんて100年早いと緊張して向かったのですが 迎えてくれた彼女の笑顔を見てそんな不安は一気に吹っ飛びました。私が緊張してると伝えたら 「私はただの農家よ」と彼女は笑いながらお茶を入れてくれました。

なんの驕りもなく自然体で暮らす彼女の姿と、地位も名誉も手に入れた人物が農家であることを一番の誇りとしている美しさに胸を打たれた瞬間でした。

現役党首時代からコロマンデル半島の郊外でパートナーのHarryと二人、山を切り開き、オフグリッドの家を建て、牛を繁殖し、羊の毛を刈り、放し飼いの鶏と、二人に十分すぎるほどの野菜を育と、オリーブ、ピーカンナッツ、栗を育てて暮らしています。

彼女とパートナーのHerryのファームでWWOOFさせていただいた経験は私にとってキラキラした忘れられない宝物です。

彼女が政治家時代からモットーにしていた言葉も素晴らしいのでご紹介します。

"I have enough, I hope you have enough."

「私はもう十分持っている。あなたもそうだといいのになぁ」

自分の今のありのままに充足し、他人を思いやる気持ちを持ち続けていれば、地球にも全ての生き物にももっと優しい暮らしができるはず。


種子は持っていても意味がない!蒔くべし!!!

先ほど私は旅の先々で種を買い集めていたと書きましたが、結果的には私の旅はとても長くなってしまい吉備中央町にファームを構えた時にはその寿命を終えて発芽しなかったものも多くありました。残念。。。

大切な種こそ大事に取っておきたくなってしまいますが、とにかく蒔かなきゃ始まりません。

種の寿命はそれぞれ。

お米は一年たってしまうと発芽率がグンと落ちてしまうのですが、ひえなどの雑穀はなんと保存状態が良ければ100年も保つそう。

一般的に、種の小さなものほど、短命で、大きな種の方が長生き、品種改良されたF1は短命で、原種または、原種に近い在来種、固定種、家宝種といわれるものほど、寿命が長い傾向があるそうです。

主要なお野菜の種子の寿命をまとめてみました。

1~2年  ねぎ、玉ねぎ、にんじん、ミツバ、落花生、大豆、スイートコーン、イチゴ

2~3年  トウガラシ、エンドウ、豆類、ほうれんそう

3~4年  大根、カブ、ミズナ、小松菜、白菜、キュウリ

4~5年  カボチャ、スイカ、在来種とうもろこし、麦、雑穀類、ナス、トマト

5年以上  レタス、春菊、チコリなどキク科野菜


私のように発芽期限が切れてしまったかもしれない種をたくさん持っている方や、前年に蒔いた残りの種子が余っている、ご近所の方にたくさんもらった などの方々におすすめなのが、福岡正信さんの粘土団子です。

福岡さんといえば不耕起(耕さない)、無肥料、無農薬、無除草を特徴とする自然農法を極めたお方で、著書の「わら一本の革命」は"The One-Straw Revolution" と訳され世界中で愛されています。

三宅商店でも福岡さんが交配し、固定されたハッピーヒルという籾種をお取り扱い開始しました!

福岡さんが考案された粘土団子は砂漠の緑化にも用いられ、ギリシャ、スペイン、タイ、ケニア、インド、ソマリアなど十数ヶ国で荒地の緑化に貢献したそうです。

●粘土団子の作り方(自己流です)

①自家採種だろうが、F1だろうが、賞味期限の切れたゴマ(非加熱のもの)でもお花でもなんでもいいです。ありったけの種をバケツの中で混ぜます。

②粘土質の土をバケツに入れ、少しずつ水を加え、練って、粘土のようになったら丸めて日陰で乾燥させて出来上がり!

この粘土団子のすごいところは、粘土の中に入っている種が鳥などに食べられることなく、適切な時期が来るまで待っていることができるんです。そしてその土地にあったものが育っていきます。

まさに自然に任せた究極の農法ですね。

想い想いの場所に投げていきましょう!!


F1の野菜から採取した種も、7世代たつとそれはもうその土地の固定種になるという説もあります。

もしかしたらびっくりするほど美味しいものが収穫できるかもしれませんし、ヘンテコな形かもしれません。

そんなびっくり箱感も種まきの醍醐味だと思っています。

そして植物たちが種を残そうとどんな姿になっていくのかを見守っていくのもとてもいい経験になります。

私たちが食べている野菜は、野菜たちのほんの一瞬であり、彼らの本当の姿は種にあるのではないかと思います。

野菜を収穫して美味しくいただく感動とはまた別の思いが込み上げて来ることでしょう。

この可憐な白い花。なんの野菜のお花でしょうか??

正解はこのブログの最後に。


やっぱり触れたい種子法のこと。

週に1回私たち夫婦は近所に住むお姉さま(お孫さんが高校生)のお宅にお邪魔して、英語のレッスンをさせてもらっています。(私の旦那さんはカナダ人)

レッスン料はお姉さまの育てているお野菜やお米、旦那さんが仕留めた猪肉との物々交換です。

このお姉さまはとても研究熱心な方で、お野菜は無農薬、肥料は自家製ぼかしを使ってお野菜を育てています。

ご主人は農機具屋やライスセンターを営まれているので、3月になると私たちもお米の種まき(籾まき)のアルバイトをさせてもらっています。

先月のある日のレッスンのあと、種子法の廃止についてお話してみました。

4月から種子法が廃止になるけど、今年の籾まきは何か影響があるんですか?

という私の質問に、お姉さんは

「いやいやぁ 町のふるさと納税の返礼品は今年もコシヒカリじゃけぇ、今年もなんも変わらんよ。」

コシヒカリ以外の品種が混じってはいけないということで、籾種は毎年農協お墨付きのものしか使えないということも教えてくれました。

私はまだ何も影響が無い事にほっとしたのもつかの間、それって町が今年からこの町のふるさと米は”ミツヒカリ”(三井化学の開発したF1コメ)にします!の一言でこの町の水田はあっという間にミツヒカリ一色になる布石ができているんだ。と気づいてしまいました。


三宅商店のスタッフとして何ができるんだろう。。。

シードバンクの充実しかないでしょ!!!

洋平さんのインスタを見たお客様より、在来種のお米、ムギ、豆をたくさんシードバンク用に送っていただいたので、早速これをお客様にお渡しする準備を整えました。

店頭に来ていただくか、三宅商店で何かお買い物していただいた方にご希望があれば同梱しています。ぜひご利用ください!

シードバンクとは本来、あなたの持っているタネと私のタネを交換しましょう、これからますます貴重なものになって来る固定種、在来種を保存し、繋げていきましょうというものです。

もしみなさんのお手元に繋いでいきたいタネがございましたら三宅商店まで送っていただくことでも ぜひこのアクションにご参加ください。


今日のおひつじ座新月に 種まき元年の方が一人でも増えますように。という思いをこめて。


byまゆみ

白いお花の正解は「ニンジン」でした〜!!!

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