今年も冬の土用がやってきた
今年の冬土用は、新月スタート。旧暦ですと12月1日(師走 ついたち)です。
新月の時間を知りたくて小林煌さんのカレンダーを眺めたら、今日は阪神淡路大震災の日でもありました。
あれから23年......。
月日の経つのは早いものです。
今日は是非、新月のお願いとともに震災にも思いを馳せてみてください。
先日三宅商店スタッフでお昼を食べながら、グレゴリオ暦を日頃使っている私たちには日曜日が休日という感覚が浸透していますが、旧暦を使っていた時代はどうだったんだろう?などと話していました。 すると一人のスタッフが「旧暦の時代は、土用の期間が休息日だったんじゃないか?」と教えてくれて、なるほどー! と、とても腑に落ちました。
これから立春までの18日間はその間に一年で一番寒い「大寒」を間に挟み、旧暦ですと師走という一年の節目の忙しい時期。ここに土用という期間があることによって、土用の禁忌(きんき)という名の休息を設けていたのかもしれません。
禁忌というと、とても厳しい印象ですが、もしかしたら、そうでもしないと働き者の私たちのご先祖さまは、お休みを取りたがらなかったのかもしれませんね。
「土用の禁忌」とは?
●土いじりをしない。
●大根の種まきをしない。
●葬送はしない(延期する)。
●家屋の増改築をしない。
●柱や橋をかけない。
●引っ越し、新居を買わない。
●旅行に行かない。
●穴・井戸を掘らない。
主に土に関わること、移動を伴うことが禁忌のようですね。
季節の変わり目は、風も一定ではなく、渦を巻いたようになるため、私たちの体の中の「氣」も乱れがちです。
そんな土用の時期は、大掃除や整理整頓で身の回りもスッキリさせるのが良い過ごし方でしょう。
こんなお掃除応援セットを作ってみました!よろしくお願いします。
土公神(どくじん)さま
土公神(どくしん・どこうしん)とは、陰陽道における神の一人。
土をつかさどるこの神は、季節によって遊行するとされ、春はかまど(古い時代かまどは土間に置かれ、土や石でできていた)、夏は門、秋は井戸、冬は庭にいるとされた。遊行している季節ごとにかまどや門、井戸、庭に関して土を動かす工事を行うと土公神の怒りをかい、祟りがあるという。(wikipediaより)
土公神さまの怒りを買わないよう、土を動かす作業や工事、たとえば、基礎工事・柱を立てる・壁を塗る・井戸掘り、はたまた農作業は控えるようにと教えられていますが、さすがに18日×年4回、一年の5分の1もの日々をこの仕事が全くできないとなると都合が悪い。そこで間日という土公神さまが地上を離れる日を設け、その日は土いじりオッケーにしました。
冬土用の間日は、寅・卯・巳の日です。
春土用の間日は巳・午・酉の日、夏土用の間日は卯・辰・申の日、秋土用の間日は未・酉・亥の日、と決まっています。
最近はあまり見かけませんが、カレンダーに十干(じっかん:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素)や十二支(じゅうにし:子・丑・ 寅・ 卯・ 辰・巳・午・未・申・酉・戌・ 亥)が記載されていますね。
その寅・卯・巳の日ですので、今年は1/22 (寅)、1/23 (卯)、1/25 (巳)、2/03 (寅)の4日になります。
今年の種まきシーズンに合わせた畑の準備をお考えの方は、ぜひご参考にしてみてください。
筆者はこの十干と十二支の組み合わせの暦を、まだ読み取ることはできません。昔の方々はどのようにこの膨大な組み合わせの暦を使いこなし、生活に取り入れていたのでしょうか。とても興味深いです。
土用についてもう少し掘り下げてみます。
土用の歴史や背景を知るためには、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)を少し知っていなければなりませんので、簡単に説明いたします。
陰陽五行説とは
中国の春秋戦国時代の思想で、日本には暦法と共に5~6世紀ごろ伝わりました。自然界のあらゆるものを陰(いん)と陽(よう)に分け、それをさらに五行の要素で分けます。
その五行とは、木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)で、それらが巡っていくことですべてのものが生まれ成長し、自然界は成り立っているという考え方です。
この五行は季節に割り当てられており、春は木気、夏は火気、秋は金気、冬は水気をとなっています。
「土」だけ残りましたね。この残った土気は季節の変わり目に割り当てられ、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間を、これから始まる季節への準備期間、『土用』となりました。
四季の神様
土用の神様は先ほども出てきてくださった「土公神」ですが、四季それぞれにも神様があります。
春は「青龍神」で東を、夏は「朱雀神」で南を、秋は「白虎神」で西を、冬は「玄武神」で北を、それぞれ司っているといわれています。
また、色も決まっています。
春夏秋冬で青赤白黒、土用は黄色とされています。
お相撲の黄色い土俵の上に、青赤白黒の房が下がっていますが、あれは四季と方角を司る神様の色です。
土用といえば
土用の食べ物といえば、うなぎのイメージばかりが浮かびますが、四季それぞれの良い食べ物が決まっています。
春夏秋冬の順番に、頭に「イ(戌)・ウ(丑)・タ(辰)・ヒ(未)」が付く食べ物と、四色の食べ物です。
四色の食べ物には、これも五行の教えで、季節の色と反対の色の食べ物を食べるのがいいとされています。
例えば夏の暑さには冬の寒さを取り込むことで、夏の負担を和らげて、体を健康にしていこうという意味があります。
したがって、春には秋の色「白」の食べ物、夏には冬の色「黒」の食べ物、秋には春の色「青」の食べ物、冬には夏の色「赤」の食べ物を食べるのです。
なるほど、夏は『丑』の日に頭に「ウ」のつく「黒い」もの、うなぎは両方を兼ね備えているんですね。
では今日から始まる冬土用、『土用の未』の日に「ヒ」から始まる食べもの、ひじき・ヒラメ・ヒラマサ・ひよこ豆・ひえ・羊肉・干物・ひまわりの種 「赤」の食べ物、梅干し、小豆、赤カブ・赤とうがらし・リンゴ・小豆・鮭・エビ・カニ・鯛・たらこ などを積極的に取り入れてみてください。
ちなみに今年は、1月27日土曜日が土用の未の日に当たります。
三宅商店の定番商品、祝島のひじき、和歌山県龍神村の梅、タンパク質たっぷりひよこ豆、ナッツミックスがおすすめです。
冬土用と大寒
冒頭でも述べましたが、この冬土用の間に、一年で一番寒い「大寒」がやってきます。
今年の大寒の日は1月20日土曜日 午後12時9分だそうです。
暦の上では立春まであと2週間ほどですが、この時期が冬のエネルギーが一番高まるとき、冷気がきわまり、もっとも寒さがつのる時期です。
辛いことばかりではなく、寒さが極まるこの時期の水は雑菌が少ないと言われ、長期保存をしたい食べ物を仕込むにはうってつけです。
お味噌やお醤油の寒仕込みという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
畑の大豆や米を収穫し、乾燥選別を終え、こたつなどを利用して麹をおこし、寒の水を使い味噌を仕込む。美しい時間の過ごし方ですね。
あともう一つ大寒の時期に是非試していただきたいものは、ビワの葉焼酎作りです。
商店スタッフ内ではもうすでにバイブルと化している東城百合子先生の『家庭でできる自然療法』の中でも、びわの葉を使った様々な手当方法が記されており、その生薬としての万能性は群を抜いていて、まさに我が国の薬効植物の中の王様といっても過言ではありません。
びわの葉は冬に葉を落とすことなく一年中仕込むことができますが、この大寒の時期の葉は一番生命力が高いと言われています。
若葉よりもごわごわとした古い葉の方が力が強いとも言われています。
葉の裏側の毛を落とすようによく洗い、水気を切り、刻んで焼酎につけて半年くらいでしょうか。綺麗な飴色になったら出来上がりです。
びわの葉を使って草木染をするのもおすすめです。
とても綺麗なサーモンピンクに染まり、染めたお洋服は着るお薬になってくれます。
近くにびわの木がないという方や、半年も待てないという方には、inoriさんが心を込めて仕込んでくれたびわの葉エキスを試してみてください。
最後に
寒い寒いと閉じこもってばかりではなく、この冬の極みを楽しく過ごしていただけそうですか?
しかしあまり元気に活動しすぎるのも禁物なのがこの時期なんです。
この時期にいかに補腎できるかで今年の秋のあなたの元氣に差が出ます。
なるべく夜10時には、横になるようにしたいものです。
体を中から外から温めるものを取り入れ、英氣を蓄えて行きましょう!
byまゆみ
0コメント