今日は防災の日。
9月1日という日付は、1923年9月1日に発生し、10万人以上の死者・行方不明者を出した『関東大震災』に由来しています。
また、8月30日から9月5日までの1周間は防災週間です。
気象庁の「気象統計情報」によると、台風の接近・上陸は8月から9月にかけて多く、1959年9月には、5,000人を超える死者・行方不明者を出した『伊勢湾台風』が襲来し、その翌年である1960年に防災の日が制定されました。
旧暦でみると、立春から数えて210日目から220日目くらいが、嵐や台風が多いと言われ、それぞれの日を「二百十日」「二百二十日」と呼んでいます。
今年の二百十日は、8月31日ですから、ほぼ防災週間とかぶりますね。
そんな今、僕が思い出すのは、中越地震の震央地を訪ねたときに聞いた話。
中山間部で自給的な暮らしをしていた人たちは、家に十分な量のお米、野菜、塩、味噌、漬物などを備蓄していたため、被災したという自覚すら持たずに、救助隊が来る日まで過ごしていたそうです。
彼らは、都市部の道路整備が優先されてなかなか農道の補修が進まなかったため、待ちきれずに自分たちでアスファルトなどの資材を取りに行ったといいます。
先日、新聞を開いたら、カップラーメンやレトルト食品を備蓄しようという一面広告が数ページに渡って掲載されていました。
それを見て、とても複雑な気持ちになりました。
いざという時に備蓄がなければ、こういったものに頼るのは仕方のないことかもしれません。
しかし、いつまでもそのような経済を続けていていいのだろうかという疑問というか、違和感は拭えません。
ひとりひとりが全員今すぐ自給すべき、とは思いませんが、
せめて、自分たちが大事にしたいと思う経済、つながりたいと思う生産者との縁の中で、
ものやお金を循環させていきたいと思います。
物理的につながるご近所さん同士の助け合いと、
意識でつながるネットワーク上のコミュニティの中での助け合い。
今はその両方のはざまの中で、新しいバランスを作っていくときのような気がします。
防災、ということを見つめる今の機会に、暮らしとコミュニティの食料棚の見直しをしていけたらと思います。
(担当:冨田)
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