ロジスティックスも世界をつくる(1)『じーちゃんばーちゃん梱包とジレンマ』

・ロジスティックスとは

ロジスティックスとはもともと軍事用語で兵站(へいたん)という意味。作戦に合わせて兵器や兵員を確保し、管理し、補給するまでの全ての活動をさします。後方支援というやつです。軍事用語というと物騒ですが、ものは使いようですね。平和利用です。

三宅商店は皆様の生活を後方支援します

経済におけるロジスティックスはwikipediaによると「顧客の要求を満たすため、発生地点から消費地点までの効率的・発展的な「もの」の流れと保管、サービス、および関連する情報を計画、実施、およびコントロールする過程」となります。

三宅商店の商売(あえて商売と言います)は資源を生み出す地球、物作りをする生産者、そしてその使用者たる消費者を有機的に繋げること。その要求を満たす為、あらゆる角度(いわゆるHow, When, Who, Where, What的な)からより良い選択肢を追求し続けております。

こういったブログ記事においてもどうしても商品やイベント、何かを作るだの作っただの、華やかな面ばかりが取りざたされがちですが、目に見えない(もとい、見えにくい)部分の業務がとても大事だし、その部分を担うスタッフ抜きには三宅商店も成立しません。

三宅商店は皆より皆様の良い生活のために後方支援します。

兎にも角にも後方支援のためには皆様に商品を届けないと成り立ちません。まずはロジスティックスというと真っ先にイメージされる「物流」、それも皆様の所に届けるための梱包についてお話ししたいと思います。


・梱包、梱包、梱包

集荷を今か今かと待ち構える商品たち

三宅商店はオープンしてからこれまで、配送における廃棄物を削減する為にそのときそのときに出来る範囲において限りなく簡易な包装で商品を送って来ました。

ホームページ上でこう宣言していました(現在ホームページデザイン一新の為削除しています)

三宅商店では梱包資材のリユースを促進します。あのプチプチや段ボールが世の中にこれ以上増えることにはなるべく参加しない姿勢で、端的に云うと「田舎のバーちゃん(若しくはジーちゃん)の小包」な感覚で、丁寧に送ります。万が一、配送が起因となる商品不備があった場合は、すぐにお知らせください。返品も承ります

筆者が三宅商店に関わる前に三宅商店を初めて利用したときのこと。くしゃくしゃになった茶色の紙袋に食品や雑貨が買い物袋の中身のように入っている。余計なものをカットした姿勢に好感が持てましたし、そもそも過剰包装がゴミ箱の大半を占めることすらあるネットショップ時代には非常にありがたいなと思った記憶があります。

しかしいざ関わってみるともっと包装を減らせるんじゃないか?とか、これだけだとクレームをいただくかな?とか、商品はこれで大丈夫だろうか?とか、色々悩ましいことも多いです。

実際、ごくたまにではあるものの商品が破損してしまうことがあります。岡山に移転してきてから新しく利用している佐川急便さんは配送の際の過失として全額保証してくれるのですが、三宅商店としても梱包の際にもっと出来ることがあるとも思っています。

梱包材を削減するのは一つの素晴らしい行為ではあります。しかしその為に商品が傷んでしまったり、他の商品を巻き添えにしてしまったら、待ち望んでいたお客様をがっかりさせ、大きな手間をかけてしまうだけではなく、余計に資源を消費してしまいます。

プチプチのプラスチック(石油)をケチったが為に商品が破損してしまったら、その商品に使っているプラスチックはもとより、生産から物流に至るまでに使用したありとあらゆる燃料(石油はおろか原子力の電気も)を無駄にしてしまう。

patagonia社が梱包におけるプラスチックの使用について考察しています。少し古い記事ですがとても参考になります。

梱包資材の強度や緩衝材、商品同士で互いを傷つけないか等々、いかにお客様に迷惑をかけない梱包ができるかを思案する日々。「三宅商店は過剰包装を始めた」と揶揄される可能性をも含めて三宅商店は梱包資材を見直し続けています。


・緩衝材は永遠の課題

三宅商店が使っている緩衝材は生産者から商品を送っていただいた際に使われていたありとあらゆる梱包材がベース。当然足りませんので、極力使わないと宣言してもいるプチプチを購入しています。

 資材は可能な限り再利用

三宅商店が選ぶ商品は、瓶を使っているものがどうしても多い(高品質の一つの証だったりしますが)。その為しっかりした緩衝材は必須。お客様に無事に商品を届ける為にはプチプチの安心度は高いのです。

でもやっぱり石油製品は必要最小限にしたい。

田舎において新聞紙は農業その他において便利で需要があるものですからなかなか集まらなかった。しかし現在ではスタッフの一人が大量の不要な新聞紙を貰ってきまして、緩衝材として大いに活躍。プチプチの使用頻度も減っています。

今後も引き続きリサーチを続けまして、再利用資源の調達や環境負荷の少ない素材の緩衝材などを探していきたいと思っています。そんな情報も記事として皆様にお伝えしたいですね。


・茶色紙袋→ダンボール購入へ

三宅商店ヘビーユーザーの方はもうお気づきでしょうが、沖縄時代に使っていた茶色の紙袋を改めダンボールの購入を始めました。紙袋は安価でゴミも少なくて良いのですが、商品を守るために袋の中の緩衝材を余分に使う結果にもなっていました。瓶ものを入れるときはプチプチで包んだ後、商品に合わせてカットしたダンボールでさらに包んでいたりもしました。

そして今まで使っていたダンボールは卸業者が使っていたものや、スーパーや道の駅の買い物で使ったもの。包む商品のサイズはまちまちなのでそれに合わせてカッターナイフで調整していました。再利用はもちろん素晴らしい。しかしこれでは配送担当のスタッフの手が取られます。その代わりにもっとユーザーにも地球にも優しい時間の使い方があるような。

既製品のダンボールなら形も想定できるのでスピードアップ。実際、発送チームの効率が格段に上がりサービスの向上により多くの時間を費やせるようになりました。その上、配送業者の金額体型に合わせたサイズで出来たダンボールなので配送料の無駄もありません(60サイズとか80サイズとか)。

そのような工夫もあり昨年の12月から10,000円以上お買い上げの場合送料を無料にすることができました。



皆様が10,000円以上の購入を目指して頂き、例えば月2回の買い物を1回にまとめて頂ければお客様は送料500円分お得になり、三宅商店の作業はより効率的になり、配送スピードや皆様へのサービス向上として還元できる。さらに今年の3月初めにはついにポイント制を開始することができました。

生産者と消費者の満足度を高めるのがその媒介である三宅商店の務めであるからこそ、どこかに何かに負担の偏ることの無いよう、バランス感覚を大事にしたいと思っています。

忘れてはならないのは、最後に商品を皆様に届けていただくのは配送業者さんであると言うこと。彼らの協力無くしてはオンラインショッピングは成り立ちません。お買い物が一回にまとまるほど彼らの負担が減りますね。

次回は今、渦中の配送業者さんについての記事をお届けしたいと思っています。

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