ドクダミと自然療法。そして天ぷら。

春らしい気候が続くようになり、野原の緑は一層鮮やかになってきています。

三宅商店岡山事務所の昼食でも周囲で取れたウド、つくし、ワラビなどが食卓に上がってきました。

近所の道の駅円城の野菜コーナの半分近くが気づけば山菜になっている。どんな野菜も一年中栽培できる時代だけに、山菜が持つ圧倒的な季節感は、私たち日本人に「旬」の存在を思い出させずには入られません。

なかなか山菜取りの時間も取れないのでちょっとずつなのが残念なのですが、事務所のすぐ裏に「どくだみ」がちょこちょこ生えているものですから、店主が何枚か摘んで来ました。


・ドクダミと自然療法

建物裏のこの斜面をみるとドクダミが点在しています。ドクダミは半日陰地を好むそう。確かにこの写真では日が当たっていますが、ここは建物の北側なので陰ってジメジメしていることも多い場所です。

筆者が当初ドクダミに持っていたイメージはといえば、「実家の向かいの家の庭に生えていて、触ると臭い」という幼少期の記憶と、「ドクダミ茶が体に良いらしい」という漠然とした知識。

しかしこれが鼻詰まり、とりわけ蓄膿症の改善に昔から利用されて来ました。

東城百合子氏の家庭でできる自然療法の318ページに記載されている内容を引用します

「どくだみの生葉五~六枚を重ねて棒状に巻き塩でもんで汁の出るまでグニャグニャにしてさらに固く巻いて悪い方の穴にさしこみ、三〇分くらいして鼻をかみますと、青い膿と一緒に鼻水が出てきます。」

吉備中央町の環境が良いので鼻の調子はすこぶる良いのですが、もともと筆者は鼻炎持ち。東京にいると鼻の調子が悪くなる(東京生まれ)。東京を出ると治る(笑)。店主の選挙がらみで東京にいる頃は初めて蓄膿症っぽくなったものです。

ものは試しと説明書通りにどくだみを揉んで鼻に詰めてみる。

匂いは幼少期の記憶とは違い嫌な感じはしないどころか、パクチーのような香りがむしろ心地よい。パクチー嫌いには大変に違いない。清涼感のある香りが鼻が通るのを予感させます。

パソコン作業をしながら20~30分経った頃に鼻をかむ。確かにスッキリ鼻どおりが良くなった。これは鼻が詰まった時に試してみたい(ここは空気が良いのであまり鼻がつまらない)

二日連続でドクダミを鼻に詰めていた店主は「二日目はあまり鼻水が出ない。昨日で出切ったな」と。


・ドクダミの天ぷら

さて、パクチーの話が出てきましたが、パクチー料理で有名なベトナムではドクダミを日常的に食しているという話になり調べてみると、私たちにも身近な生春巻きにも使ったりするようです。そして日本でも食用されているとか。ググってみると「ドクダミの天ぷら」の記事が幾つかヒットしました。天ぷらにするとドクダミ特有の匂いが消えてとても食べやすいそうです。

ものは試しと早速ちょこっと詰んできて天ぷらにしてみました。

1枚目の写真をもう一度。

ザルに入れてみるとハーブか何かのようです。

これをさっと水で洗って、衣をつけて、油へ。

折角天ぷらにするならと、コシアブラも一緒に天ぷらに。

一番左がドクダミの天ぷら。驚くなかれ。非常に美味しい。ドクダミ特有の香りがマイルドになり、非常に食べやすい。でもパクチー嫌いな人がいるように、嫌いな人は嫌いでしょうね。


・ドクダミを少し掘り下げてみる

ドクダミについて調べてみると、その語源は「毒矯み(ドクタミ)」からきているそう。矯めるとは矯正の矯ですね。

江戸時代の儒学者、「養生訓」で有名な貝原益軒の「大和本草」には「わが国の馬医がこれを馬に用いると、十種の効能があるので、十薬(ジュウヤク)と呼ぶことにした」と記載されており、厚生労働省が定める医薬品の規格基準書「日本薬局方」にも十薬と記載されています。

その薬効は、いまでは十種にとどまらず、数多くの有効性が証明されています。インターネットで調べるとたくさんの情報が出てくる。

「そこらへん」にたくさん生えていて、しかも判別も容易なドクダミですから(見た目も匂いも)、自然療法や野草の入門としてはもってこいの植物と言えます。

お茶にするのも簡単。軒下にぶら下げて乾燥させ、パリパリになったところでフライパンで炒ってカラッカラにすればお茶になります。白い花が咲く6-8月がもっとも薬効が高まるそうです。(こちらのサイトより)

以下がドクダミ情報専門サイト(!)ドクダミワールドさんに掲載されている蓄膿症以外のドクダミの薬効。用途別の細かい使い方含めもっともっと掘り下げて行きたいですね。一昔前はこんなことも普通だったのかなあとしみじみ。


・高血圧の正常化

ドクダミに含まれているフボノイドが、利尿・緩下作用、毛細血管の強化に役立つと考えられている

・代謝のバランスを保つ

代謝不全によって起こり得る障害(心疾患や脳疾患含む)を防ぐことができる

・水虫、アトピー性皮膚炎の改善

デカノイルアセトアルデヒドが解毒・抗菌作用を持っている

・便秘の改善

クエルシトリン、イソクエルシトリンが便を柔らかくして、緩下剤として働く

・動脈硬化の予防

クエルシトリンが毛細血管の弾力をよくし、カリウムがナトリウムの働きを相殺する

・血糖値を下げ、糖尿病の改善

・ニキビ、ガンの予防

デカノイルアセトアルデヒドが菌の活動を抑え、解毒作用、免疫の強化を助ける

クエルシトリンが解毒・利尿や抗炎症効果がある

・老化予防

人体に有害な活性酸素を分解する


ドクダミというとどうしても雑草のイメージが強い人も多いでしょうが、もうこれで雑草とは呼ばせません。そもそも全ての生き物はそれぞれ重要な役割を持ってそこに在るわけですから雑草なんて失礼なネーミングはお辞めにしましょう。

食べる、とか、何かに効く、とかは興味関心を持つにはとても手っ取り早いので、そういったビギナー向けなところから一つ一つ身近な植物に親しんで行きたいものです。

ただ、どこでドクダミを採取するかだけは気をつけましょう。どこにでも生えている分、自動車の排気ガスの影響を受けやすい場所や、除草剤などを散布している可能性のある場所は要注意です。食べられる野草って都会にもいっぱい生えてますが、それが食べられないという事実は、都心部の生活環境を改善するキッカケにならないものかなあと思います。

こちらのブログでは、今後、簡単に買えたり、採取できたりする身近な植物などの目から鱗の使い方や情報をシェアしていきたいと思っています。こちらもこちらで勉強になりますし、食べれたりしますし(笑)。

それでは。


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